中国政府の「人質政策」?−米国政府・国連人権委に中国の人権非難決議案出さず
中国政府の「人質政策」?−米国政府・国連人権委に中国の人権非難決議案出さず
*「米政府:国連人権委に、中国の人権抑圧の非難決議案出さず」(毎日新聞 05.03.19)
「【ワシントン中島哲夫】米国務省のエレリ副報道官は17日、ジュネーブで開かれている今年の国連人権委員会に、中国の人権抑圧を非難する決議案を提出しないことを決めたと発表した。(略)
中国の全国人民代表大会(全人代)が武力による台湾独立阻止も視野に入れた「反国家分裂法」を採択したことに伴う米中摩擦と、一方で北朝鮮の核問題に関しては協力が不可欠という状況を背景に、米中が好材料を模索した結果だという観測も流れている。
米国は02年の米中人権対話を受けて03年、同委への中国非難決議案提出を見送ったが、昨年は中国の努力不足を理由に提出した。
今年は米政府が2月末に公表した「04年版人権報告」で中国の姿勢を「失望」すべきものだったと批判し、中国がこれに対抗して米国の人権状況を非難する文書を発表した。しかし、エレリ副報道官によると「ここ2、3週間」の間に中国が改善措置をとったため、決議不提出を決めた。
副報道官は改善内容として、(1)政治犯に厳しい仮釈放、減刑などの制度を一般収監者と同じ扱いにし、政治犯20人を釈放し、33人を減刑にした(2)国連人権高等弁務官の訪中に同意した(3)宗教の自由に対する各種の抑圧緩和措置をとった(4)国際人権団体が「良心の囚人」と指摘する新疆ウイグル自治区の女性実業家、レビヤ・カディールさん(58)の釈放−−などを挙げた。(略)」
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20050318k0000e030031000c.html
中東での「テロとの戦い」や北朝鮮問題などで中国政府の協力を得なければならないから中国の人権問題への批判は控え目にする−米国政府の「人権外交」の限界が露呈された格好ですね。EUが「六四天安門事件」以来続けている対中武器輸出禁止措置の撤廃の動きを見せていること(これには米・日政府も反対しているけど)なども加え、中国政府の国際政治・経済における影響力が増す中で中国の人権問題への国際社会の包囲網が緩くなりつつある現状に懸念を感じます。
ウイグル人の女性実業家のラビヤ・カディル氏はアメリカに住む彼女の夫にウイグル地方で公刊されている新聞を送ったことが「国家機密漏洩」に当たるなどとトンデモな因縁を付けられて懲役8年の判決を下された人で、釈放は歓迎されるべきことですが、人権団体等の間では既に彼女が減刑され、今年か来年には釈放されるということ「既定事実」として伝えられていたので、今回の釈放は用意済みの「外交カード」を中国政府が切ってきただけという感が強いですね。
http://www.uygur.org/japan/et/2004/0306.htm
既にロイターなどのマスコミや、ヒューマン・ライツ・ウォッチやアムネスティがこの件を報じていますが、アムネスティはライス米国国務長官の訪中直前のこの釈放劇を「中国政府が『人質政策』を展開しているとの印象を与えた」と評しています。私も同感です。
http://www.laogai.org/news/newsdetail.php?id=2287
http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=9339
http://news.amnesty.org/index/ENGASA170102005
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