山西省の炭鉱爆破事故で33人の炭鉱労働者が死亡(チャイナ・レーバー・ブリテン(中国労工通訊) 04.12.14)

 このブログでもしばしば取り上げていますが、いま中国では炭鉱での事故が相次いでおり、多数の死傷者・行方不明者が出ています。

 中国の炭鉱での事故発生率は国際平均の数倍とも言われていますが、こうした事故の背景には中国経済の急成長に伴うエネルギー需要の急増の中で、依然として旧式の採掘設備を使用したり、労働者の生命や健康を守るための設備が整備されていない中国の劣悪な炭鉱労働環境が背景にあると伝えられています。


11月28日の中国陝西省の炭鉱爆破事故の現場(中国労工通訊サイト)


山西省の炭鉱爆破事故で33人の炭鉱労働者が死亡(チャイナ・レーバー・ブリテン(中国労工通訊) 04.12.14)

<翻訳:まこと>

 12月9日午後4時30分に山西省陽泉市盂県の大賢三号坑で起きたガス爆発で28名が死亡し、その後の救助活動中に5名が死亡した。爆発が起きた時には71人の炭鉱労働者が坑内で働いていた。また、濃い有毒ガスが爆破事故から1日後もなお大賢三号坑のたて坑を曇らせている。

 大賢三号坑の採掘現場での事故は11月28日に166名の死者が出た陝西省銅川市の陳家山炭鉱での事故の後から2週間足らずの間に起きた。

 湖北省出身の負傷した鉱山労働者の妻であるChen Shaopingは大賢三号坑の労働者は大半が山西省・湖南省・湖北省・雲南省からやって来たのだとチャイナ・レーバー・ブリテン(中国労工通訊)に語った。また彼女は、3つの採炭切羽のうち1つの炭鉱労働者たちは何とかして逃げたものの、炭鉱で働いている彼女の親類のうち数名が未だ坑内で閉じ込められているのだと語った。

 この炭鉱労働者の妻は10歳の子供がおり、妊娠2ヶ月である。彼女は中国労工通訊に対し、炭鉱労働者は毎日炭鉱の中で12時間働かなければならず、わずか1200元から1500元の月給しか貰えなかったのだと語った。

 盂県の病院のある医師は、負傷した炭鉱労働者のうち6人が自分の病棟に入れられており、彼らのうち1名は未だ一酸化炭素中毒で意識不明であると中国労工通訊に語った。新華社通信によると、この正式に認可された小さな炭鉱は毎年石炭を15万トン生産するのだという。

 12月1日、山西省の炭鉱の安全性について扱ったテレビ番組で話をしていた山西省省長のZhang Baoshunは、25名の人々が11月の20日以内の間に山西省朔州市Pinglu地区と太原市Wanbolin地区で起きた2箇所のガス爆発事故で死亡したと語った。Zhangは冬に入ってから石炭需要と石炭価格が急騰したことにより、石炭会社は利益を求めるために炭鉱労働者の肉体的安全性を犠牲にして石炭生産を増やそうとしたのだと付け加えた。

 ニュースソース:チャイナ・レーバー・ブリテン(中国労工通訊)、新華社、ロイター 

・Thirtythree Miners Killed in Shanxi Coalmine Blast(原文)
http://www.chinalabour.org.hk/iso/news_item.adp?news_id=3773


(参考記事)命より石炭−中国炭鉱事故死者5200人(東京新聞 04.12.14)

 【北京=鈴木孝昌】中国で大規模な炭鉱事故が相次いでいる。ことし一−十一月の炭鉱事故による死者は五千二百人余に達した。急成長による深刻なエネルギー不足で、石炭価格が上昇。炭鉱会社は金のかかる安全対策を軽視して、増産を急いでいることが背景にある。

 十二日には、貴州省思南県の炭鉱で水漏れ事故が発生。新華社電によると、坑内には八十人の作業員がいたが、うち三十六人が炭鉱内に閉じこめられ、絶望視されている。その三日前にも、山西省陽泉市の炭鉱でガス爆発があり、作業員三十三人が死亡したばかり。

 先月二十八日には陝西省銅川市の炭鉱でガス爆発があり、百六十六人が生き埋めになって死亡、ことし最大の炭鉱事故となった。十月には河南省大平炭鉱で百四十八人が死亡している。

 陝西省の事故では、一週間前から坑内で火災が発生していたにもかかわらず、生産を続けていたことが分かり、人命軽視の経営者の責任が厳しく問われている。

 労働者への死亡事故の賠償は一人一万元(約十三万円)程度。これに対し、安全設備の導入には数百万、数千万元のコストがかかるため、死亡事故を覚悟の上で増産を続ける鉱山が多い。

 全国へ地上げ屋集団を送り込んでいる浙江省温州市からは石炭への投機集団も現れた。石炭の産地、山西省ではすでに生産量の五分の一が温州の投機集団に握られた。投機筋が経営する炭鉱は安全対策はおざなりにし、短期間での利益出しを狙っている。

<メモ>

 中国のエネルギー事情 急激な経済成長を続ける中国では石油、石炭などの供給不足が顕在化。中国の電力は70%以上を石炭による火力発電に頼っている。さらに庶民の熱源は今も石炭であり、炭鉱での無理な増産につながっている。原油の輸入は過去10年間で10倍に増え、国際市場での原油高騰の一因。日中摩擦の要因となっている東シナ海でのガス田開発事業も、国内事情が影響している。(外報部)

http://www.tokyonp.co.jp/00/kok/20041214/mng_____kok_____002.shtml

[ ●中国の労働・農民運動 ] Posted by watch at 2004年12月15日 | コメント(0) | Trackback(0)



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