チベットの伝統的な医薬術の促進のための現代化の構想を(チベット・ジャスティス・センター 05.01.05)
チベットの伝統的な医薬術の促進のための現代化の構想を(チベット・ジャスティス・センター 05.01.05)
チベットの医薬術は中国の大手製薬会社に数百万ドルを利益を齎す旨みのあるビジネスになった。新たに採用される様々な政策は商業主義や官僚主義を主な背景に、チベット医薬生産の製造や流通を標準化するために創設された。これらの新政策は仏教徒独自の治癒法の伝統を守り抜いている医者を衰退させるための法制度であることが判明している。
ある調査によると、チベット高原の様々な地域でチベットの医薬術を扱っている製薬企業は75社あり、うち30社はチベット人によって経営されている。仏教徒の医薬術の聖典であり「ギュシ」に則って薬品を製造するという神聖な指針がチベットの医薬品の工業生産という状況下でますます危機に晒される一方で、注目を集める関心の的はこれらの医薬品の治癒力の効能についてでである。「アムチ(チベットの医師)は患者を治すために医薬品を作るが、製薬会社は利益を得るために医薬品を製造するのだ。」アムド(現在は中国青海省に編入されている地域)のあるチベット人医師はこのように説明した。
政府による新たな政策は、全てのチベット人医師に厄介な登録手続きを要求するものである。彼らは政府から認可を受けると、彼らが個人的に抱えている患者に対してのみ医薬品を販売することを許可される。嘗ては20元で買えたRinchen-Tsotru-Dashelという錠剤は、現在では製薬会社によって50元で販売されている。
「中国の製薬会社は様々なチベットの医薬品に対して特許を取得しているので、間もなく私たちはこうしたチベットの医薬品を製造することを妨げられるだろう。」ある医者はこのように語った。チベットの人々に対しての長期の課題はこの数百年来の治癒術の伝統を残すために関与することである。同様に、チベット人の地域社会に近付く人々はこの伝統を残すために関与すべきである。チベットの医薬術の最終的な崩壊は、チベットの地元の医者を排除して大規模産業に利益を齎すために設けられた特許制度のせいで、私たちチベットの文化が産み出し、私たちの土地で作られた薬を、より高価な値段で中国の製薬会社から購入することをチベット人が強いられようになるかどうかによるだろう。
チベット医薬術の商業主義化は環境への影響も与えている。チベットの医薬品の植物成分の多くはチベットの高山に特有である珍種の薬草である。現在、これらの種の乱獲を監視するための仕組みは存在しない。チベットの医薬術の商業主義化は薬品の成分の需要を劇的に増加させたために、特定の植物種が広範かつ種の維持が困難なほどに収穫されるという結果を招いている。B型肝炎の治療成分として中国企業によって注目されるUtpal Ngonpo(青ケシ)は現在の収穫の状況が続けば絶滅するかもしれないとチベット人医師が危惧する珍種のひとつである。
中国の政策立案者への申し入れは中国の経済的潮流や生産手法にチベットの医薬術を合わせることでは無く、医薬術における独特の知識および技術の保護や促進である。チベットの医薬術に対するより良いアプローチや有益な措置が取られることはチベットの医薬術にとって有益な目標であるとともに、医薬品を製造するという伝統が(産業化の)過程の中で飲み込まれ破壊されるかどうかに多大な影響を与えるだろう。
・Designing Modernization To Promote Traditional Tibetan Medicine(TRIN-GYI-PHO-NYA: Tibet's Environment & Development DigestJanuary, 2005, Vol. 2,No. 6)(原文)
http://www.tibetjustice.org/tringyiphonya/num9.html
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