自民党が日本版「北朝鮮人権法案」の骨子をまとめる−難民保護という理念は支持(まこと)

自民党が日本版「北朝鮮人権法案」の骨子をまとめる−難民保護という理念は支持(まこと)

 自民党が日本版「北朝鮮人権法」の素案を纏めたようです。2月4日の「産経新聞」によると、法案の骨子は

> 【脱北者の保護・支援】
>一、在外公館に保護を求めてきた脱北者は日本または第三国に出国させる
>一、脱北者が一定の要件を満たす場合、入管法上の在留資格により受け入れ、定住を支援

> 【北朝鮮の人権状況改善】
>一、国際社会の取り組みに、日本も積極的な役割を果たす
>一、北朝鮮の人権状況改善に向けた活動を行うNGOに財政上やその他の支援を行う

> 【拉致問題の解決】
>一、安否不明の拉致被害者および拉致被害者であることが疑われる者について、積極的に調査
>一、問題解決の進展状況を国会に報告、国民に公表

http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20050204/m20050204001.html

というものです。

 法案の具体的な条文が未だ明らかになっていないのではっきりとした意見は言えませんが、この内容なら私は賛成です。

 もっとも、「脱北者の保護・支援」「北朝鮮の人権状況改善」の項目に関してはわざわざ新規に立法せずとも既存の入管難民法制の運用を少し変えるだけで対応できると思いますし、こんな事は北朝鮮難民に限らずあらゆる国の難民(の問題)に対して"普遍的に"実施すべき政策では無いのか?という気はしますが、それはともかく・・・。

 勿論、この法案にはブッシュ政権の「テロとの戦い」のレール上にある「対北圧力政策」という側面はあると思います。ただ、難民保護と国際人権への取り組み、そして拉致問題の調査に関する法文化という方向性自体は決して間違っていないと思いますので、私は是々非々の立場でこの法案を評価したと考えています。

 そして、この法案はとかく「難民鎖国」と揶揄される日本の難民政策全般に対してはもちろんのこと(昨春の「入管難民法」改定も瀋陽の日本領事館への「脱北者」駆け込み事件が契機になりましたし)、拉致問題に関する日本の外交政策や社会運動にも一石を投ずることになると思います。後者に関して簡単に言及すると、私は運動等で知り合った海外の人権活動家数人と「日本の拉致問題はなぜ『国際化』しないのか?」と意見を交わしたことがありますが、主な返答としては、

・日本の拉致問題に関する政策や運動がナショナリズムに偏り過ぎていること
・日本のような大国が北朝鮮をはじめとする国際人権分野に貢献をせず、国際社会に助力"だけを"求めるのは「虫が良すぎる」こと

といったものがあります。

 拉致問題で国際社会の協力を得るには日本も北朝鮮の人権分野で一定の貢献を求められますから、日本での北朝鮮難民受け容れをも視野に入れたこの法案は拉致問題絡みの政策や運動を「インターナショナル」な方向に導く一つの契機になる可能性もあると思います。 拉致被害者支援運動の内部でも「脱北者」保護政策の促進に関しては賛否両論別れていますから、彼らの間でも相当な議論を呼ぶことになるでしょう。



*自民・北朝鮮人権法案 脱北者定住を支援 拉致解決へ圧力(産経新聞 05.02.04)

 自民党の「対北朝鮮経済制裁シミュレーションチーム」は三日、北朝鮮人権法案(仮称)の骨子をまとめた。日本の在外公館に保護を求めてきた脱北者の保護・支援策の一環として、一定の要件を満たす脱北者に在留資格を与え、定住を支援することを打ち出しているのが柱。拉致問題の進展状況を国会へ報告することを義務づけてもいる。脱北者を支援することで、拉致解決に誠意をみせない北朝鮮の金正日総書記に「圧力」をかける狙いがある。

 米国では昨年、脱北者支援を通じ、北朝鮮の民主化を支援することを前面に打ち出した「北朝鮮人権法」が成立しているが、今回の法案はこれに倣ったもので、日本も同様の法律を成立させることで、北朝鮮の人権状況の改善に向けた国際包囲網の強化を図る。

 このため法案は、「北朝鮮の人権状況の改善に向けた国際社会の取り組みへ参加する」と強調し、人権状況の改善に向け活動する非政府組織(NGO)に対する財政上の支援も明記された。

 一方、脱北者を支援する背景には、北朝鮮の独裁体制の変化への期待がある。安倍晋三幹事長代理は「多くの人が命がけで国(北朝鮮)から逃げようとしている状況で、金正日政権が今後も存続していくことができるのか」と述べ、脱北者支援が北朝鮮の体制変更を促すとの認識を示している。

 法案は、日本に滞在し活動することができる身分や地位を類型化した「在留資格」を、脱北者に与えるとしている。しかし、法務省は、脱北者の身元確認などが容易ではなく、犯罪者や工作員が入国することも想定されるために慎重だ。このため、脱北者受け入れの枠組みをめぐる政府と自民党間の調整が難航することも予想される。

 自民党は議員立法として法案を提出し、今国会での成立を目指す。来週にも「拉致問題対策本部」(本部長・安倍晋三幹事長代理)を開いて、法案の承認を得る方針だ。民主党はすでに、同様の法案をまとめており、与野党の調整も焦点になる。

(以下略)

http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20050204/m20050204001.html


*脱北者、条件つき受け入れ 自民が北朝鮮人権法の素案(朝日新聞 05.02.03)

 自民党は3日、脱北者の保護や北朝鮮の人権状況の改善に取り組むNGO(非政府組織)への支援などを盛り込んだ北朝鮮人権法案の骨子素案をまとめた。拉致問題を「我が国国民に対する重大な人権侵害」と位置づけ、政府に解決への努力を求めるとともに、国会報告を義務づける。自民党は月内に法案をまとめ、北朝鮮の今後の対応を見極めたうえで、最終的に国会に提出するかどうか検討する。

 素案は党拉致問題対策本部(本部長・安倍晋三幹事長代理)の経済制裁シミュレーションチームがまとめた。脱北者を「北朝鮮送還時に迫害を受けることが明白」として、(1)日本の在外公館に保護を求めてきた場合、日本または第三国に出国させるよう努める(2)日本への定住を希望する者は、一定の要件を満たす場合に受け入れ、定住を支援する――とした。

 外務省や法務省には、在外公館で脱北者を受け入れた場合、その国の政府との関係に配慮する必要があることや、国内で受け入れる際の身元確認の難しさなどから、支援に慎重な意見が強い。こうした意見を踏まえ、素案では保護・支援は努力義務にとどめ、国内受け入れには一定の条件を課すことにした。

 さらに「北朝鮮の人権状況の改善に向けた国際社会の取り組みに積極的な役割を果たす」として、関係国や国際機関、NGOとの密接な連携も打ち出した。

http://www.asahi.com/politics/update/0203/010.html


ロシア産タラバ危機 改正油濁損賠法 保険未加入船『ダメ』(東京新聞 05.02.04)

 三月一日から改正油濁損害賠償保障法が施行されると、保険未加入船は日本の港から閉め出される。北朝鮮の船舶のほとんどが入港できなくなり、北朝鮮への“実質的”経済制裁に結びつく可能性が高い。保険加入の義務付けはすべての国の船舶に適用され、相当の“とばっちり”を受けそうなのがロシアの船だ。ロシアの日本へのカニ輸出は相当規模に上るため、関係者は今後の動向を注視している。

 「北朝鮮のアサリが止まり、ロシアのタラバガニも減れば、消費者にはダブルパンチだ。影響は大きい」。三日午後、農林水産省幹部は複雑な表情で語った。

 アサリは北朝鮮産が四十五億円と輸入アサリ全体の六割を占め、国内35%のシェアにのぼる。一方、ロシアからの水産物は、日本の水産物輸入全体の6%強にとどまるが、カニ類は五百四十四億円と群を抜く。

 この日、自民党若手議員でつくる「対北朝鮮経済制裁シミュレーションチーム」会合に、国土交通省が一枚の表を提出。各国船籍の保険加入率が並んでいたが、北朝鮮が2・5%と最低。次いでロシアが13・6%の低さだった。

 ロシア国内の保険には加入している船もあり、「日本政府が発行する加入証明書を事前に取れば、入港に支障の出る船はぐんと減る」(国交省海事局)という。

 水産関係の荷役会社も「韓国にカニを一度ストックし日本の需要に合わせて他国の船で輸出するケースが増える」と話し、ロシア産のカニ輸入量への影響は限定的となる可能性もある。

 ただ、流通形態の多様化もあり、水産庁でも正確な影響予想はできていないのが実情だ。

(以下略)

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20050204/mng_____kei_____004.shtml

[ ●北朝鮮の人権問題・脱北者 ] Posted by watch at 2005年02月05日 | コメント(0) | Trackback(0)



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