趙紫陽氏葬儀−『評価』『断罪』並べる(東京新聞 05.01.30)
趙紫陽氏葬儀−『評価』『断罪』並べる(東京新聞 05.01.30)
【北京=加藤直人】二十九日に葬儀が営まれた中国の趙紫陽・元共産党総書記について新華社電は、一九八九年の天安門事件で「重大な過ちを犯した」と指摘し、中国指導部が事件を再評価する考えのないことを鮮明にした。一方、「党と人民に有益な貢献をした」と一定の評価もしたのは、汚職や腐敗などで社会不満が強まる中、趙氏死去を契機に民主化を求める過激な動きが表面化することを懸念し、バランスを取ったものといえる。
中国筋によると、十七日の死去から十二日も経過してから葬儀が営まれたのは、葬儀にあたって天安門事件の評価を変更しないとする中国指導部と、同事件などへの評価に言及されることを拒否していた遺族側との意見調整に手間取ったためという。
中国指導部はあえて死者にむち打つ形で「重大な過ち」を明記した。事件の再評価は天安門事件を「政治風波」と断罪してきた江沢民前指導部と、江氏から政権を禅譲された胡錦濤指導部の正統性にかかわるからだ。周恩来元首相の追悼行事が騒乱に拡大した一九七六年の第一次天安門事件のように、趙氏を悼む民衆の行動が先鋭化しないよう圧力をかける狙いもあったとみられる。
新華社電はまた、「趙同志が改革開放前期に党中央や国家の重要指導者の職務にあった」と伝え、天安門事件ではく奪した趙氏の過去の業績にも触れた。党総書記、全人代(国会に相当)委員長、首相が参列せず、党内序列第四位の賈慶林・全国政治協商会議主席を参列させるという微妙なバランス感覚もみせた。
これは、胡指導部が天安門事件の再評価はしないとの強い意志を示す一方、“改革派の旗手”趙氏が目指した民主化や腐敗撲滅に真剣に取り組まなければ、胡指導部の政権基盤を揺さぶりかねない要素になるとの認識と危機感を示したものだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20050130/mng_____kok_____003.shtml
中国指導部、評価変えず一定の配慮も 趙氏葬(朝日新聞 05.01.30)
29日に葬儀があった中国の趙紫陽(チャオ・ツーヤン)元共産党総書記について、党・政府は89年の天安門事件で民主化運動に理解を示した対応を「重大な過ち」とする評価を変えなかった。ただ歴代指導者が眠る北京の八宝山革命公墓での葬儀を認め、党序列4位の賈慶林(チア・チンリン)全国政治協商会議主席らが参列するなど一定の配慮を見せた。解任された趙氏の名誉回復には応じないものの、根強い同情論とのバランスをとるのに指導部が苦慮した跡がうかがえる。
葬儀に招かれた関係者によると、参列者は順番に趙氏の遺体の前で別れを告げ、遺族にお悔やみを述べた。置かれた花輪の名義は共産党中央弁公庁など組織名がほとんどで、個人の名義では、事件の武力鎮圧に否定的だったとされる改革派の喬石(チアオ・シー)元全人代常務委員長らの名が確認できたという。
(略)
趙氏の死去後、功績の評価を求めた遺族と、天安門事件後に総書記の解任に至った決定は見直せないとする党との間で、葬儀の形式をめぐる調整が長引いたという。
その間も、長く軟禁されていた北京市中心部の自宅には元幹部や市民らが花を持って次々と弔問に訪れ、祭壇は花で埋まった。また葬儀当日は、会場の周辺に、白い造花や趙氏の遺影を持った一般市民が追悼に訪れたが、警察官に排除された。
(以下略)
http://www.asahi.com/international/update/0129/012.html
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