「Amnesty International Report 2004」の北朝鮮人権状況報告

Amnesty International Report 2004
 −2003年の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の人権状況報告を日本語に訳しました(非公式版) (2004/05/29 翻訳者・M)


・報告書原文(英語):http://web.amnesty.org/report2004/prk-summary-eng
・北朝鮮に関する全てのドキュメント(英語):http://web.amnesty.org/library/eng-prk/index
・ 2004年1月に発表された北朝鮮の食糧問題に関するアムネスティ・インターナショナルの報告書(英語):『North Korea: Starved of Rights: Human rights and the food crisis in the Democratic People's Republic of Korea (North Korea)』(AI INDEX:ASA24/003/2004)・プレスリリース『朝鮮民主主義人民共和国:食糧を得る権利が否定されている』(AI INDEX: ASA 24/004/2004)

・2003年4月−国連人権委員会での北朝鮮の人権状況に関する決議(訳・北朝鮮難民救援基金)
・2004年4月−国連人権委員会での北朝鮮の人権状況に関する決議(訳・北朝鮮難民救援基金)


−関連リンク−

・『グローバルな価値に対する闘い−武装集団や政府による攻撃が、不信や恐怖、分断を生み出している。アムネスティ・インターナショナル報告書2004』(AI INDEX: POL 10/016/2004)
・『2004年アムネスティ・インターナショナル報告書アップデート 2004年1月から4月の期間の出来事の抜粋』
・『Amnesty International Report 2004 統計(2003年1月〜12月)』
・『Amnesty International Report 2004』(全世界の報告書が英語で読める)
・アムネスティ報告書(日本語)−日本・イラク

・Amnesty International・社団法人アムネスティ・インターナショナル日本






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 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)



 朝鮮民主主義人民共和国
 国家元首:金正日
 政府首班:朴奉珠(9月に洪成南の後任として)
 死刑制度:存続
 国連女性差別撤廃条約:批准
 国連女性差別撤廃条約選択議定書:未署名



 2003年1月から12月までの出来事

 制度的な食糧不足が続いている。40パーセント以上の子供たちが慢性的な栄養失調に苦しんでいると報告された。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核保有能力に懸念を示す見解は依然として国際社会において大勢を占めている。北朝鮮の政府は、移動と表現の自由を含む国民の基本的人権を否定し続けている。数百もの人々が中国へ逃れ、強制的に送還された者は拘留、長期にわたる尋問、劣悪な環境下での拘禁という危険性に晒された。独立した監視団は同国へのアクセスを許可されなかった。



・背景

 4月、国連人権委員会は北朝鮮に対する決議案を可決した。委員会は、「制度的かつ広範囲、そして深刻な人権侵害の報告についての重大な懸念」を表明した。

 11月、国連の経済的・社会的・文化的権利委員会は食糧危機に対処するにあたっての方策として、女性のためのポジティブ・アクション(積極的差別是正措置)制度の導入、ストライキ権を含む労働組合権の保証、強制労働の廃止などを挙げた。

 北朝鮮の核開発能力に関する問題は近隣諸国および米国との外交関係に影響を与え続けたものの、2003年終りごろには外交的解決策を見出すための外交努力に弾みが付いた。1月、国際原子力機関(IAEA)は北朝鮮が2002年に国外に退去させた国連の査察官を再び受け入れ、秘密裏の核兵器開発計画を放棄するように要求する決議を行った。ミサイルの発射実験が2月、3月、10月に実施された。IAEAは2月、北朝鮮が核拡散防止条約に違反しているとして問題を国連安全保障理事会に付託した。4月、国連安全保障理事会は北朝鮮の核開発プログラムに対して懸念を表明したが、北朝鮮のIAEAからの離脱の責任を追及することに失敗した。北朝鮮において原子力発電所の建設を担っている米国主導の国際的コンソーシアムである朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)はその計画を1年間停止すると11月に発表した。KEDOは北朝鮮が計画継続のために必要な条件を満たしていないと述べた。

 4月に、中国は北京で米国および北朝鮮との間の会談を主催した。伝えられるところによると、会談は北朝鮮の代表団が同国が核兵器を所有していると米国の代表団に認めた日より1日早く終了した。8月、北朝鮮は同国の核開発計画を巡る北京での6カ国協議に参加した。報道によれば、協議では具体的な決定には至らなかったものの、各国の代表は再び会合することには合意した。11月、北朝鮮は、米国が北朝鮮への「敵視政策」を撤回すれば同国の核開発計画を放棄する準備ができていると述べた。北朝鮮政府は、米国から同国へ書面で安全を確約するとした米国のブッシュ大統領の提案を考慮すると応じた。

 中国は広範囲に渡る経済危機に直面している北朝鮮を支援し続けている。伝えられるところによると、中国は100万トンの燃料および15万から20万トンの食糧を供給した。また、伝えられるところによると、中国は北朝鮮がIAEAから離脱しミサイルの発射実験を行った2003年の初旬の数日間に燃料供給を止めた。

 また、韓国は北朝鮮への主要な食糧供給国だった。南北朝鮮間における離散家族の再会事業は継続した。

 日本と北朝鮮との関係は依然として緊張している。これは、1970年代から80年代にわたって北朝鮮政府の工作員によって日本人が拉致されたことや、北朝鮮の核開発計画の相当な部分において日本製の部品が使われて進められてきたという報告に拠るところが大きく影響している。2002年に両国間で合意された国交正常化交渉は実施されなかった。また、北朝鮮は北京での六カ国協議から日本が撤退するように要求した。


・飢餓と栄養失調からの解放

 2003年10月に発表された国連食糧農業機関(FAO)および世界食糧計画(WFP)の特別報告書によれば、北朝鮮における食糧の収穫状況は改善されているにもかかわらず、2004年には更に深刻な食物不足に直面するとした。この報告書は、同国内での不十分な食糧生産量、多くの住民の食事が限定的かつ不十分であること、多くの家庭で購買力が衰え食糧の入手に当たり経済的格差が拡大していることの三重苦は2300万人の総人口のうち650万人の北朝鮮の脆弱層が国際的な食糧支援に依存しなければならないことを意味しているとした。こうした状況はとりわけ幼児、妊婦、看護に当たっている女性や老人などを含む住民の脆弱層の間では深刻であった。

 2002年7月に始められた経済政策調節プロセスは、既に購買力が十分ではなかった多くの都市家庭において更なる減退を促進してしまった。伝えられるところによると、60パーセントを超える都市地域の住民の主な食糧入手源である公共配給制度(PDS)からの配給量は、既に十分な量とは言えなかった2003年の1人1日当たり319gから、2004年には300gに減らされることになった。非常に低水準なPDSからの配給にもかかわらず、産業労働者や老人は収入の半分以上を配給を得るためにに費やすと考えられる。

 11月19日、国連機関および非政府組織は、北朝鮮へのより多くの支援を求める要請を発したものの、国際社会からの支援の確約が十分では無かったの持続的に「緊急事態」を警告し続けた。15の国際機関は食糧・健康・水および教育のために2億2100万米ドルを求めた。援助機関は、2003年には援助のために2億2500万米ドルを求めたものの、要請額の57パーセントの額だけの確約を得たと発表した。いくつかの国々は北朝鮮の核兵器開発計画による関係悪化後に北朝鮮への援助を打ち切ったと考えられる。

 10月、WFPは、資金不足のために11月に68万人分の食糧供給を中断しなければならないだろうと発表した。北朝鮮の政府当局は依然として国土のほぼ15パーセントの地域に人道支援組織による接触を拒否し続けている。政府当局が食糧支援の最終段階における独立した調査活動を妨げているため、支援食糧が闇市場や軍用に転用されているとの報告については調査できなかった。


・人権監視団の拒絶

 北朝鮮国内への人権監視団のアクセスは著しく制限され続けた。アムネスティ・インターナショナルの代表団をを含む独立した人権観察団に対し、また国連の特別報告者および他の専門家を含む独立した観察団に対するアクセスの拒絶は同国の人権状況の調査を著しく妨げた。

 国連の経済的・社会的・文化的権利委員会によって表明された懸念の中には、公平的かつ独立的な司法制度の欠如、女性の権利および差別やドメスティック・バイオレンスを抑止するための国内法制度の不備があった。また、同国から逃亡した人々帰国した際に直面する抑圧、とりわけある社会階層においての過酷な飢餓の影響に懸念を示した。同委員会は、北朝鮮の政府に対して幾つかの勧告を行った。これらには女性に対する差別廃絶に十分な影響を齎す立法や女性の権利の増進のための明確な手段の採用、海外へ旅行する人々への処罰の廃止、独立した労働組合を組織する権利およびストライキ権を含む労働組合権を保証するための立法の調査、そして社会的脆弱層が国際的な食糧支援に公平に接触したり食糧分配計画との関与においてプライオリティが与えられることへの保証といった勧告が含まれていた。


・表現および行動の自由

 あらゆる類の政治的反対勢力の存在が許されなかった。伝えられるところによれば、支配政党たる朝鮮労働党に反した意見を表明したあらゆる人々は厳罰に処せられ、多くの場合は彼らの家族も厳罰に処せられた。国内の報道機関は厳しく検閲され続け、国外の放送の傍受も制限された。信教の自由は憲法によって保証されてはいるものの、実際は厳しく制約されている。公的または私的に宗教活動に関わった人の投獄、拷問、処刑を含む厳しい抑圧が報告されている。伝えられるところによると、多くのキリスト教徒が強制労働収容所に収容され、彼らはここで拷問されたり、宗教的信仰のために食事を与えられなかったりした。国内の旅行への厳しい制限が報告された。北朝鮮の国民は許可無く国を去った場合、例えそれが食糧を求めるためのものであっても処罰された。


・中国からの難民として保護を求める人々の送還

 何百もの北朝鮮国民が中国国境を横断し続けた。伝えられるところによると、10月に北京の韓国領事館は難民として保護を求める約300人の北朝鮮国民が押し寄せた。うち多数が第三国を経由して韓国に向けて中国を去ることを許された。

 伝えられるところによると、数千もの北朝鮮国民が中国で逮捕され、強制的に送還された。多くの情報源は、強制送還で彼らは長期間の拘留、尋問および拷問に直面していると伝えた。伝えられるところによると、刑務所あるいは強制労働収容所に送られる者もおり、冷酷かつ残酷、品位が傷つけられるような条件下に置かれた。


・処刑

 公開処刑についての報告が受け取られ続けている。処刑は銃殺刑執行隊か絞首によって実施される。4月、国連人権委員会は北朝鮮に対して政治的な理由による死刑や公開処刑に対する懸念を表明する決議を行った。報告は違法な処刑や秘密処刑が拘禁施設で起こっていたかもしれないと心配されているものの、公開処刑の傾向が減少していることを示唆している。


・女性に対する暴力

 女性の拘留者が品位を傷つけられるような条件の刑務所に収容されていると報告された。伝えられるところによれと、例えば中国から強制的に送還された後に拘留された北朝鮮の女性たちは、全ての衣服を脱ぐことをを強いられ、肉体的関係を仄めかされかのような身体検査に晒された。この女性たちは、事前審理の拘留中に男性の守衛が女性達を辱しめ、彼女たちの性器や胸に触れたと述べた。伝えられるところによると、これらの条件に関して遠慮なく発言することを試みた女性は殴打されたという。妊婦や老人を含む女性たちはみな早朝から深夜まで刑務所の工場や屋外での労働を強いられた。刑務所には女性のための基礎的な設備が欠如している。中国から強制送還された後に妊娠している女性が中絶を強いられたという未確認報告があった。




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なお、「Amnesty International Report 2004 統計(2003年1月〜12月)」
http://www.incl.ne.jp/ktrs/aijapan/2004/040526B.htm によれば、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は

・超法規的殺害
・治安部隊、警察、または他の政府機関による拷問や虐待
・「良心の囚人」の拘禁
・起訴や裁判の無い恣意的逮捕・拘禁
・死刑の判決
・死刑の執行

といった人権侵害事案が確認されているという。








・ 2004年1月に発表された北朝鮮の食糧問題に関するアムネスティ・インターナショナルの報告書(英語):『North Korea: Starved of Rights: Human rights and the food crisis in the Democratic People's Republic of Korea (North Korea)』(AI INDEX:ASA24/003/2004)の概要


 2004年1月20日に発表されたアムネスティの報告書に目を通してみました。

 報告書は主として北朝鮮の食糧問題に焦点を当てていますが、北朝鮮難民や収容所の環境など、北朝鮮の人権状況全般に関して触れられています。
以後、報告書の概要を簡単に書いてみようと思います。


 まず冒頭では、北朝鮮が共産主義とチュチェ思想を奉じる国であること、朝鮮労働党が支配していること、社会権規約(A規約)加盟国としての北朝鮮の政府の国際人権規約上の義務などを列挙。

 次に北朝鮮の食糧危機の背景に触れ、もともと北朝鮮の地質が農業には不向きであること、気候条件が厳しいことなどに触れた上で、90年代以降の水害が農地に打撃的な爪あとを残したことをWFPやFAOの統計資料をひきながら説明、またこれら災害は電力生産にも打撃を与え、肥料の生産もままならなくなったことも尿行生産に打撃を与えた、旧ソ連崩壊によってソ連や中国ルートからの食糧や燃料の供給が減少したことも食糧危機の一因であると指摘した後、WFPやユニセフなどの統計資料をひきながら、北朝鮮の酷い飢饉と飢餓状況について解説、現在の北朝鮮は依然として深刻な飢餓状態に瀕していると指摘。

 最近、北朝鮮で農民市場の抜本改革が行われことに触れ、これらの経済改革が深刻な食糧価格のインフレ状態を招いているとも指摘。
また、北朝鮮の食糧配給制度には都市部と地方との間で著しい不平等があるとし、こうした状況は北朝鮮の憲法規定にも違反すると指摘。

 これらの指摘の後、政治犯収容所に拘留され、まもなく父親は収容所に拘留されたまま姿を消したという経験を持つ脱北難民の証言を紹介し、北朝鮮人口の4分の1を占める「敵対階層」に属する人民にはまともな教育を受ける機会が与えられていない、環境の悪い地域に強制的に移住させられるなどの状況があるとし、これらの状況下で特に苦難を強いられるのは女性たちで、食糧を手に入れるために各地を点々としたり、中朝国境に渡る女性も少なからずいるなどとしています。

 そして北朝鮮では国民の国内移動の自由がないこと、移動するには当局の許可が必要なこと、移動のための証明書を得るのは容易ではない、勝手に国内を移動すると収容所に収容されることもあるなどとする一方で、当局者に賄賂を払うことで中国に行くことは可能だったと証言する北朝鮮亡命者の声も紹介。食糧を手に入れるために親が子供の元を離れざるを得ない状況も多数のコッチャビを産み出す一因ともしています。
そして、これらの移動制限が食糧を得る権利を保証している社会権規約に抵触するとも指摘。

 さらに、北朝鮮政府が95年6月まで国際社会に支援を求めなかったこと、北朝鮮国内で人道支援を行うNGOなどの自由な活動を行なおうとする動きや独立したモニタリング活動を北朝鮮政府が妨害していること、こうした状況に抗議をして北朝鮮から撤退したNGOが存在すると指摘した上で、その一例としてオックスファムや国境なき医師団(MSF)といった団体名を挙げて、「自由な活動への妨害が支援を困難にした」とのMSFの指摘を紹介、北朝鮮の人道支援の実態は当局に忠実な人達が優遇され、弱者が無視されていると指摘しています。

 その一方で、支援活動を継続している団体としてカリタスやWFPなどの国連機関などの名前を挙げ、彼らはモニタリングと支援方法を改善することが支援の継続を正当化するとし、支援を継続している団体の殆どはその改善の効果を確認しているとの状況を紹介。

 しかしながら、彼らに許されているモニタリングは地域などが限定的されたものであるとし、モニタリングは1週間前に北朝鮮当局に申請しないと実施できない、WFPは北朝鮮当局からアクセスを許された地域のみを支援対象としていないので、残された地域が援助無しで放置されるのではないかという懸念があるとのWFPの見解を紹介しています。

 続いて、食糧不足は北朝鮮女性に著しい人権侵害をもたらしていると指摘。北朝鮮の女性たちは食糧を手に入れるため各地を転々とし、中には中朝国境を「不正に」渡り、中には中国当局に拘束されて拷問されたり、性的商品として売り飛ばされ、性行為を強いられる事例などにも触れています。
そして、北に強制送還された女性たちは強制収容所に収容され、長時間の強制労働を強いられるとし、収容所では生理用品が配給されないので自分の衣服を破って代用したという亡命女性の証言も紹介。
中国から北朝鮮に強制送還された北朝鮮人に下される罪の軽重は脱北した回数、彼らの国家に対する貢献の度合い、政治性の有無などによるなどとも指摘。

 また、収容所内では食事としてジャガイモの皮や豆、数粒のとうもろこししか入っていないスープしか与えられないこともある、そして、脱走を試みようとした者達は看守に銃撃されることもあるなどといった亡命者の証言に触れて、いかに収容所の環境が劣悪なものであるかについて分析がされています。

報告書内ではこれら北朝鮮で起こっている人権蹂躙の実情が国際人権基準に抵触すると指摘し、具体的な条文を列挙しながら国際法的なアプローチから分析を試みています。

 そして最後に、北朝鮮国民に食糧を得る権利が保証されるべきであること、北朝鮮政府がその責務を果たしていないこと、国際社会の食糧支援のための努力は配給物資の公正な分配や支援機関の自由な活動を妨害する北朝鮮政府によって蝕まれているとした上で、アムネスティは北朝鮮政府に対し食糧配給を政治的に利用せず公平に分配すること、人道支援団体の自由な活動やモニタリングを保証すること、人々が食糧を得るための移動の権利の保証を行うこと、食糧配給制度の見直しを早急に行うこと、その他人権状況全般の改善を求めています。

 また一方で、アムネスティは国際社会に食糧支援を政治的・経済的駆け引きの道具として使用するべきではなく、北朝鮮に対する支援を継続するべきだとした上で、特に中国政府に対しては難民条約上の義務を履行してUNHCRの難民認定を認めることとノン・ルフールメント原則の尊重などを求め、韓国政府に対しても韓国での定住を求める脱北者の人権を保護するための努力を求めています。

 簡単に書くとこのような内容です。


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・プレスリリース『朝鮮民主主義人民共和国:食糧を得る権利が否定されている』(AI INDEX: ASA 24/004/2004)

アムネスティ発表国際ニュース
(2004年1月20日)

アムネスティ日本


朝鮮民主主義人民共和国:食糧を得る権利が否定されている
AI INDEX: ASA 24/004/2004

 「公開処刑の数は、飢饉がもっともひどかった1996年から1998年の間がピークでした。人びとは、社会資源である電線や銅線を盗んでは売り払っていたのです。」(ソウルのNGO「Good Friends - 平和、人権、難民センター」のイスンヨン氏。 2002年12月4日にアムネスティがおこなったインタビューより。)

 「15歳か16歳くらいの男の子が死ぬのを見ました。男の子は、学校からコップを盗んだということで拘禁されていたのです。15日間拘禁されて男の子は死にました。飢死です。そこには食糧がほとんどなかったのです。」(朝鮮民主主義人民共和国からやってきた40歳代はじめの男性イ氏。2002年12月3日にアムネスティがおこなったインタビューより。)

 朝鮮民主主義人民共和国は、世界でももっとも閉鎖的で孤立している国である。10 年以上にわたって、同国の人びとは飢饉および食糧危機に瀕している。アムネスティ・インターナショナルは、新たに発表した報告書の中で、同国政府に対し、食糧不足を理由にした反政府的とみなされた人に対する迫害が起きないよう、また国連諸機関をはじめとする人道組織が、同国全土にわたって自由に、また妨害なく、活動できるよう保証するよう、求めた。

 「自然災害が続き、旧ソ連からの支援がなくなり、経済政策が失敗したため、何十万もの人びとが食糧不足のために命を落としている。数百万もの子どもたちが、身体的、精神的な成長発達に悪影響が及ぶ病的な飢餓状態にある。」アムネスティは、そのように強調した。

 政府の政策は、その少なくとも一部であれ、十分非難に値するものだ。政府は食糧の配給を平等にはおこなっておらず、経済的、政治的に力のある人びとに特に配慮している。政府が移動の自由を制限しているため、人びとは食糧を探し求めたり、食糧がまだましなところに移動しようとすることができない。町や村を許可なく離れた場合、身柄拘束をともなう刑罰に処されるからである。食糧支援の配給に関わる国際的な人道機関もまた、移動したり、連絡をとったり、状況を監視したりすることを妨害されている。そのため、支援機関は疲弊し、食糧支援を打ち切ることになる。

 「食糧を得る権利は最も基本的な人権である。朝鮮民主主義人民共和国政府は、この権利を尊重し、守り、充足させるというその義務を怠っているとみなし得る。」アムネスティはそのように言った。

 広範囲にわたる飢餓状態のため、何万もの人びとが中国に向かった。そのうち、何千人もが中国政府当局により強制送還され、朝鮮民主主義人民共和国当局によりひどい状況の中で拘禁されている。拘禁され、餓死した人びともいるといわれる。多くの人びとが同共和国当局による捜査の段階で拷問されたといわれる。

 食糧や生きのびるための道具を盗んだということで公開処刑された人びともいる。その処刑場面を学校の生徒が見させられているという。

 飢饉によって被害を受けているのは、主に子どもたちや女性、老人などである。中国に行かざるを得なかった多くの女性たちは、中朝国境の両側で活動する人身売買組織の餌食となった。

 「支援が可能な外国政府は、これを政治的な目的のために利用するのではなく、必要な食糧支援を行わなければならない。」アムネスティはそのように言った。「食糧は、決して政治的、経済的圧力の道具として使われてはならない。食糧制裁などというものは、あってはならない。」








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参考・「日本」に関する報告書 (出典:http://www.incl.ne.jp/ktrs/aijapan/2004/040526D.htm)

日本国 JAPAN
首都 東京
人口 1億2770万人
公用語 日本語
政府首班 小泉純一郎
死刑制度 存続
女性差別撤廃条約 批准
女性差別撤廃条約選択議定書 未署名


 精神状態が不安定だったと伝えられる男性が処刑された。86歳の囚人が、36年以上ものあいだ死刑囚として服役した後、死亡した。55名以上の囚人が、最高裁で死刑判決が確定し、いつでも処刑されうる状態にある。刑務所における虐待の報告が引き続き寄せられた。囚人が独居房に隔離され、長期にわたって拘禁されているとの報告があった。

背 景

 11月9日の選挙で小泉純一郎首相が再選された。
 1991年にリマのバリオス・アルトスで15人が殺害された事件、および1992年にリマで大学生9人と教授1人が「失踪」し殺害された事件に関与したとして、ペルーは日本に対し、アルベルト・フジモリ元ペルー大統領を送還するよう正式に要請した。これに対し日本の外務省は、2000年から日本に亡命しているアルベルト・フジモリ氏は日本国民であり、逃亡犯罪人引渡法により引渡は禁止されていると回答した。そのため、日本がフジモリ氏の免責に加担しているという批判が巻き起こった。
 日本は朝鮮民主主義人民共和国に対し、1970年代および1980年代に同国の秘密工作員が数百人の日本人を拉致したとされる問題などの懸案事項が解決するまでは、実質的な援助はできないと警告した。小泉首相が2002年にピョンヤンを訪れた際、朝鮮民主主義人民共和国は13人の日本人を拉致したことを認めた。
10月、「テロ対策特別措置法」の期限を延長する法案が通過した。

死 刑

 男性1人が処刑されたことが伝えられた。多くの死刑囚が何年もの間死刑囚監房で過ごし、長期にわたり独居房に隔離拘禁されている。死刑執行は絞首刑により、秘密裏におこなわれる。死刑囚は執行を直前まで知らされず、家族にはまったく連絡されない。

 向井伸二死刑囚は9月、大阪拘置所で絞首により処刑された。彼はそのわずか数時間前に執行を告げられた。家族および弁護士は事前に何の連絡も受けなかった。向井死刑囚は精神的に不安定だったと伝えられ、弁護士が再審請求の準備をしていた最中の執行であった。

 7月、9名の国会議員が処刑場の見学を許可された。このような施設を国会議員が訪れることを許されたのは1973年以来初めてであるという。

難民としての保護を求める人びと

 難民認定手続きは大幅に遅れることがしばしばである。当局は難民としての保護を求める人びとを、人権侵害を受ける危険性のある国へと強制送還し続けた。送還の多くが秘密裏におこなわれた。難民としての保護を求める人びとに対する虐待の報告が相次いだ。10月17日、法務省入国管理局と東京入国管理局および東京都と警視庁は共同宣言を出し、より迅速な国外追放手続きをすすめることで、東京における不法移民に対する措置を強化すると発表した。

 3月、難民認定申請に関し60日という申請期限を廃止する法案を、内閣が承認した。法案は国会に提出されたが、10月に衆議院が解散して廃案となった。同法案は、難民としての保護を求める人びとに対し、適切な保護を与えていないという懸念が持たれていた。

拷問・虐待

 拘禁中の拷問や虐待の報告が続いている。日本弁護士連合会が刑務所に関する特別相談期間中に受けた91件の異議申し立ての内、半分以上が刑務官による暴力や残虐な行為に関するものであったことが、3月に報告された。日弁連は、被拘禁者に対する刑務官の暴行は、全国のほぼすべての刑務所でおこなわれていると報告した。

 刑務所の状態の改善を検討し、刑務所監視機関を設立し、刑務所における健康管理や透明性を調査するために、3月31日、行刑改革会議が設置された。アムネスティは同会議に招待され陳述をおこなった。同会議は12月に提言を発表した。

 2月、名古屋刑務所の副看守長が、2001年12月に消防用ホースで受刑者を攻撃し死に至らしめた事件で起訴された。この副看守長は、監房を汚した罰として、43歳の受刑者の露出した肛門部に向けてホースから放水したと報告されている。その結果、同受刑者はひどい傷を負い、翌日の午後感染症のため死亡した。名古屋刑務所は当初、法務省に対し、これは同受刑者の自傷行為によるものであり、死因は腹膜炎であると報告していた。

 5月、法務省は革手錠の使用を廃止し、10月1日現在、革手錠は使用されていない。革手錠は囚人の腹部を締め付け内臓を傷つけることもある拘束具で、名古屋刑務所ではこれまでの数年間に、革手錠の使用により複数の囚人が死に至っている。

 裁判前の拘禁中の拷問・虐待が引き続き報告された。自白偏重で有罪判決が下される体制のもとでは、しばしば弁護士の立ち会いなしにおこなわれる長時間の取調べによって自白が引き出されていると懸念される。日本語のわからない被疑者は適切な通訳も付けてもらえず、訳文のない日本語だけで書かれた調書に署名することを強要された。

女性に対する暴力

最高裁は、第二次世界大戦中に日本軍に性行為を提供することを強要されたとして、日本政府に対して慰謝料を求めた韓国人「従軍慰安婦」たちの控訴を、4月に棄却した。何人かの女性に慰謝料を支払うよう日本政府に命じる地裁判決をくつがえした 2001年3月の広島高裁の決定を、最高裁は支持したのである。

 日本の女性の5人に1人がパートナーから身体的もしくは精神的暴力を受けており、被害者たちは警察その他の公的機関がより積極的に虐待防止に取り組むべきだと考えていることが、4月に内閣府が発表した報告書で明らかになった。

 国連女性差別撤廃委員会は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)が、現時点では身体的暴力以外の暴力の形態を網羅していない」こと、また強姦に対する量刑が比較的軽いことに懸念を表明した。同委員会はまた日本に対し、女性や少女の売買の防止のためさらに努力するよう勧告した。

アムネスティ調査団派遣

 11月、訪問。





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以下はアムネスティの北朝鮮報告書の原文(英語)

Korea (Democratic People's Republic of)


DEMOCRATIC PEOPLE'S REPUBLIC OF KOREA
Head of state: Kim Jong-Il
Head of government: Pak Pong-ju (replaced Hong Songnam in September)
Death penalty: retentionist
UN Women's Convention: ratified
Optional Protocol to UN Women's Convention: not signed

Covering events from January - December 2003

Systemic food shortages continued; more than 40 per cent of children were reported to suffer from chronic malnutrition. Concerns about the nuclear capability of the Democratic People's Republic of Korea (North Korea) continued to prevail in the international arena. The North Korean government continued to deny its people fundamental human rights, including freedom of movement and expression. Hundreds of people fled to China, and those forcibly returned were at risk of detention, prolonged interrogation and imprisonment in poor conditions. Independent human rights monitors were not allowed access to the country.


Background

In April, the UN Commission on Human Rights passed its first ever resolution on North Korea. The Commission expressed "its deep concern about reports of systemic, widespread and grave violations of human rights".

In November the UN Committee on Economic, Social and Cultural Rights raised a series of questions on measures to deal with the food shortage; to introduce positive discrimination for women; to ensure trade union rights, including the right to strike; and to end the practice of forced labour.

North Korea's nuclear capability continued to affect its relationship with neighbouring countries and the USA, although efforts to find a diplomatic solution gathered momentum towards the end of the year. In January the International Atomic Energy Agency (IAEA) issued a resolution demanding North Korea readmit UN inspectors, who had been expelled in December 2002, and abandon its secret nuclear weapons program. Missile tests were carried out in February, March and October. In February, the IAEA found North Korea in breach of the Nuclear Non-Proliferation Treaty and referred the matter to the UN Security Council. In April, the Security Council expressed concern about North Korea's nuclear program, but failed to condemn it for pulling out of the IAEA. The US-led consortium in charge of building nuclear power plants in North Korea, the Korean Peninsula Energy Development Organization (KEDO), announced in November that it was suspending the project for one year; KEDO stated that North Korea had failed to meet the necessary conditions for continuing the project.

In April, China hosted talks in Beijing between the USA and North Korea, which ended a day early when the North Korean delegation reportedly admitted to the US delegation that North Korea possessed nuclear weapons. In August, North Korea attended six-nation talks in Beijing on its nuclear program. No concrete decisions were reportedly made, although delegates agreed to meet again. In November, North Korea stated that it was ready to abandon its nuclear program if the USA dropped its "hostile policy". The North Korean government agreed to consider US President George W. Bush's offer of a written security guarantee from the USA.

China continued to assist North Korea in addressing the widespread economic crisis. It reportedly provided a million tons of fuel and 150,000 to 200,000 tons of food. China reportedly stopped fuel supplies for a few days in early 2003 after North Korea pulled out of the IAEA and conducted missile tests.

South Korea was also a major food supplier to North Korea. Family reunions between North and South Korea continued.

Relations between Japan and North Korea continued to be tense. This was attributed in large part to the abduction of Japanese nationals by North Korean government agents in the 1970s and 1980s and reports that a substantial part of North Korea's nuclear program was built using materials from Japan. Normalization talks planned in 2002 did not take place and North Korea called for the withdrawal of Japan from the six nation talks in Beijing.

Freedom from hunger and malnutrition

According to a special report by the UN Food and Agriculture Organization and the World Food Programme (WFP) in October 2003, despite improved harvests, North Korea faced another substantial food deficit in 2004. The report stated that a combination of insufficient domestic production, the narrow and inadequate diet of much of the population and growing disparities in access to food as the purchasing power of many households declines meant that about 6.5 million vulnerable North Koreans out of a total population of 23 million were estimated to be dependent on international food aid. The situation remained particularly precarious for vulnerable sections of the population including young children, pregnant and nursing women and elderly people.

An economic policy adjustment process, initiated in July 2002, led to further decreases in the already inadequate purchasing power of many urban households. Rations from the Public Distribution System (PDS) ? the primary source of food for over 60 per cent of the population living in urban areas ? were reportedly set to decline from the already insufficient 319g per person per day in 2003 to 300g in 2004. Despite the very low level of PDS rations, industrial workers and elderly people were believed to spend more than half of their income on these rations alone.

On 19 November, UN agencies and non-governmental organizations issued a new appeal for more aid to North Korea and warned of a continuing "emergency" because of a lack of pledges from the international community. Officials of the 15-member Consolidated Inter-Agency Appeal sought US$221 million for food, health, water and education. Relief agencies said that while they sought US$225 million for aid in 2003, they received pledges for only 57 per cent of that amount. Some countries appeared to have cut off aid to North Korea after a worsening of relations over the country's nuclear weapons program.

In October, the WFP announced that it would have to cut food rations to 680,000 people beginning in November because of funding shortfalls. The North Korean authorities continued to deny access to humanitarian organizations to nearly 15 per cent of the country. Reports that food aid was being diverted to the black market and the military could not be investigated as the authorities prevented independent monitoring of the final delivery of food aid.

Denial of access

Access to North Korea remained severely restricted. The denial of access to independent human rights observers, including AI representatives, and to other independent observers, including UN Special Rapporteurs and thematic experts, severely hampered investigation of the human rights situation.

Among the concerns expressed by the UN Committee on Economic, Social and Cultural Rights were lack of impartiality and independence of the judiciary, women's rights and lack of domestic legislation to combat discrimination and domestic violence. It also expressed concern about the repression faced by people who had fled the country when they returned, and the particularly severe effect of the famine on certain sectors of society. The Committee made a series of recommendations to the North Korean government. These included the adoption of legislation to give full effect to the principle of non-discrimination against women and of specific measures to promote their rights; the ending of penalties against people for travelling abroad; a review of legislation to ensure trade union rights, including the right to form independent trade unions and the right to strike; and a guarantee that the more vulnerable sectors of society would be given equal access to international food aid and priority in relation to food programs.

Freedom of expression and movement

Political opposition of any kind was not tolerated. Any person who expressed an opinion contrary to the position of the ruling Korean Workers' Party reportedly faced severe punishment, as did their family in many cases. The domestic news media continued to be severely censored and access to international media broadcasts was restricted. Religious freedom, although guaranteed by the Constitution, was in practice sharply curtailed. There were reports of severe repression ? including imprisonment, torture and execution ? of people involved in public and private religious activities. Many Christians were reportedly being held in labour camps, where they faced torture and were denied food because of their religious beliefs. There were reports of severe restrictions on internal travel. North Koreans faced punishment if they left their country without permission, even if they had gone in pursuit of food.

Returned asylum-seekers from China

Hundreds of North Koreans continued to cross the border into China. In October, the South Korean consulate in Beijing was reportedly occupied by some 300 North Koreans seeking asylum. Many were allowed to leave China for South Korea via a third country.

Thousands of North Koreans were reportedly apprehended in China and forcibly returned to North Korea. A number of sources reported that on their return they often faced prolonged detention, interrogation and torture. Some were reportedly sent to prison or labour camps, where conditions were cruel, inhuman or degrading.

Executions

Reports of public executions continued to be received. Executions were by firing squad or hanging. In April, the UN Commission on Human Rights passed a resolution on North Korea expressing concern at public executions and imposition of the death penalty for political reasons. Reports suggested a decline in the trend of public executions, although it was feared that extrajudicial executions and secret executions may have taken place in detention facilities.

Violence against women

There were reports indicating that women detainees were subjected to degrading prison conditions. For example North Korean women detained after being forcibly returned from China were reportedly compelled to remove all clothes and subjected to intimate body searches. Women stated that during pre-trial detention the male guards humiliated them and touched their sexual organs and breasts. Women who attempted to speak up about these conditions were reportedly beaten. All women, including those who were pregnant or elderly, were forced to work from early morning to late at night in fields or prison factories. Prisons lacked basic facilities for women's needs. There were unconfirmed reports that pregnant women were forced to undergo abortions after being forcibly returned from China.

[ ●北朝鮮の人権問題・脱北者 ] Posted by watch at 2004年06月05日 | コメント(0) | Trackback(0)



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